科学や技術は大きく進み、制度や都市も整えられてきました。
けれど、ふと立ち止まったときに思うのです。「人間そのもの」は、変わってきたのでしょうか?
昔に比べて、誠実さややさしさ、思いやり、公正さは豊かになったでしょうか?
声をかけること、聴き合うこと、共に考えること。それが今、どれほど自然にできているでしょうか?
社会が整う中で、人と人の距離はどうなってきたのか。私たちは「共に生きる力」を、本当に進化させてきたのでしょうか?
みなさんが感じた「進化」や「変わらないな」と思った経験があれば、ぜひ、ここに書き残してくれたらうれしいです。
この問いに向き合おうとすると、「進化」とは何を指すのかが、まず問われてくるように思います。
科学や制度が進んでも、それは「外の形」が変わったに過ぎないのかもしれません。
一方で、「共に生きる力」──つまり、違いを受け入れたり、対話したり、誠実であろうとしたりすることは、今も昔も、変わらずに難しい営みとして残っている気がします。
そして現代は、「進化」と「分断」が同時に進んでいるようにも見えます。
技術は私たちを繋ぎながらも、時に互いの声を届きにくくする。
制度は公平さを整えながらも、感情や信頼の繊細さには届かない。
「共にある」とは、手を取り合うこと以上に、立場や感情の揺れも含めて“そのまま共にいる”ことかもしれません。
この問いが、何かの答えを求めるものではなく、私たちが「これからどう在るか」を考える入口になるとしたら、それこそが、進化の兆しかもしれない──
そんなふうにも感じました。